サービス提供終了 (2023年6月末) のお知らせ

移行方法のご案内など詳細はこちら >

東三河県庁のごはん日記

東三河の特産品を訪ねて No4 ~メヒカリを使った加工品(有限会社まんてん.)~

2018/12/20 11:58 イベント

みなさんこんにちは!東三河県庁の公式キッチンです!


今回は、「東三河の特産品を訪ねて」の第3回として、海のまち蒲郡で水揚げされる特産品「メヒカリ」を使った加工品をご紹介します。

栄養価が高く味も良いと、最近注目のメヒカリ。

地元蒲郡産メヒカリを年間30トン加工する有限会社まんてん.の黒田社長にお話を伺いました。


-メヒカリとはどんな魚ですか?味の特徴も教えてください。-

愛知県蒲郡市の形原・西浦漁港で水揚げされております。太平洋側でとれる深海魚で、水深約200~400mに生息しており底引き網漁法で水揚げされます。

標準和名はアオメエソと言います。白身の魚で淡白な魚でありますが、脂がのっており唐揚げや干物に適した魚です。現在愛知県蒲郡市はメヒカリ水揚げが日本一です。


-最近、注目されていますね。-

深海魚がメディアにもよく取り上げられていますが、元々深海魚は厳しい環境下で生息しており、人間にとってとても重要な栄養価を多く含んだ魚が多く、また愛知県蒲郡市にある竹島水族館や静岡県沼津市は深海魚の街として行政と一体となってPRし続けている結果が少しずつでてきているかと感じます。


-栄養価の高さから、学校給食でも使われているとも聞きますが?-

カルシムウムがししゃも・わかさぎの約2倍、鉄分がマグロ・カツオの約3倍あるとデータで裏付けされておりますが、栄養価だけではなく、味がとても良い、尚且つ限りある国産資源の中の一つでもあり、食育を兼ねて学校給食の献立に全国的に取り上げていただけるようになりました。


-カルシウムや鉄分が豊富ということは、まさに学校給食にはもってこいの食材ですね!さて、メヒカリを使った「メヒカリ油漬け」、「魚醤『深輝』」について伺いますが、これらはどういった商品ですか?-

メヒカリは深海魚で水揚後のいたみが早いため、主に干物や唐揚粉をまぶして冷凍したものが多く流通しております。

「メヒカリ油漬け」に関しましては、常温でメヒカリを流通させる事ができないかを考え、缶詰にしました。一度素焼きしたメヒカリを綿実油に漬け込みました。

普通、油漬け・オイル漬けはオリーブオイルを使用することが多いですが、綿実油を使用することにより、素材の味や風味をそのまま伝えることが可能になりました。

また缶詰にすることにより、賞味期限が3年となり長期保管が可能となりました。

「メヒカリ油漬け」を使用したレシピ


「魚醤『深輝』」は、メヒカリ唐揚げを製造する工程で頭と内臓を廃棄しておりましたが、頭と内臓を廃棄しない製品が造れないかと愛知県三谷水産高校の学生が商品開発を行い、実際に醤油工場に立ち会い製品化が出来ました。

東北や北陸にも魚醤がありますが、比較すると臭みがないため、料理の素材を邪魔しない仕上がりとなっております。イメージとしてはだし醤油の感じです。

魚醤「深輝」を使用したレシピ


-東北という言葉がありましたが、メヒカリといえば、福島県いわき市も産地で「市の魚」にもなっていますが、震災後大きな影響を受けていると聞きます。被災地へもメヒカリを出荷されているのでしょうか?-

ゼロではないですね。

東北の魚のイメージがいまだに回復しないのが現実です。

水揚げも震災前と後では全然少なくなっております。これはメヒカリに限らず他の魚種にも同じ事が言えます。

弊社製造の愛知県蒲郡産のメヒカリを給食向けに加工した製品を福島県下の給食へ出荷した実績もあり、今もなお出荷しております。


-なるほど。メヒカリを通じて地域どうしの結びつき、交流も盛んになるといいですね。ところで、「リアルメヒカリくん」というものがあると聞きましたが、それはどんなものですか?-

展示会や催事に出展するたびにメヒカリってどんな魚?どんな感じ?と聞かれる事が多々ありました。何度も何度も、複数の方に聞かれて同じ説明を繰り返すたびに、何かメヒカリを伝えるツールが出来ないか考えて出来たのが、このリアルメヒカリくんです。

新鮮なメヒカリを丸干した後に、表面を樹脂でコーティングしました。

一度や二度のコーティングでは魚のにおいがするので何度も何度もコーティングを重ねにおわないように仕上げました。

丸干し後にコーティングしてあるので、展示会などで陳列すると光に反射して黒光りしており、何だろうと興味をもっていただける人が多数おりました。

メヒカリの説明をするとともにリアルメヒカリに興味津々の方が多く、足を止めてくれる方が増え、その場でメヒカリとはを語れるようになりました。

一石二鳥のような感じで、メヒカリを語れ、リアルメヒカリに興味を持たれると言ったカタチになりました。


-確かに、これはインパクト大ですね!メヒカリを知らない人にも、まずは興味を持ってもらうことが大切だということですね。-


-最後に、消費者へのメッセージをお願いします。-

まだまだ知らない方が多数です。

一人でも多くの方に愛知県蒲郡産のメヒカリを知ってもらい・食べてもらい地元にこんな美味しい魚があるんだ!日本にこんな美味しい魚があるんだ!と再認識してもらいたいです。日本の魚食文化を絶やすことなく広めてまいります。


-ありがとうございました。-


まだまだ知名度も高くないメヒカリですが、地元蒲郡では、唐揚げや干物などにしてよく食べられています。

食べると本当においしいので、ぜひ一度みなさんも食べてみてください!

また、蒲郡市は、愛知県にある沖合底引き漁船4隻すべてが市内に所属しており、県内で水揚げされる深海魚の9割以上が蒲郡で水揚げされています。

蒲郡市では、そんな深海魚を通じてまちおこしをしようと、「まちじゅう食べる水族館」「どうめ~深海魚10選!」など、ユニークな取組も行っています。

メヒカリについても紹介されていますので、この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひ以下のリンクもご覧いただければと思います。

http://www.gamagori.jp/tokusyu/doumei/
http://www.gamagori.jp/tokusyu/suizokukan/


次回もお楽しみに!

クックパッドブログへの
ご意見・ご感想をお聞かせください