東三河地域では、地域の食材や気候、風土、伝統などを活かして、様々な特産品が作られています。
そんな特産品の数々を、それを作る生産者さんとともに、「東三河の特産品を訪ねて」と題して、不定期で紹介していきたいと思います!
第1回目の今回は、豊橋市で「濱納豆」という発酵食品を、140年以上にわたって昔ながらのこだわりの製法で作り続けている、「國松本店」の國松勝子社長にお話を伺いました。
「濱納豆」は、今年2月に東三河県庁が主催した「特産品を使った料理教室」でもレシピに使用され、参加者の方々にも大好評でした。
今回は特別に、生産者さんならではの、おすすめの食べ方も教えていただきましたよ♪
-「濱納豆」とはどんな食べ物ですか?-
今から1300年前、仏教伝来とともに中国から伝わった調味料です。大豆を粒のまま味噌にして半年間発酵させ、その後、天日干しにして乾燥、最後に醤油で味付けした生姜を混ぜ、香り高い栄養価の優れた国産天然醸造の半生乾燥させた自然発酵食品なんです。
「濱納豆」の製造工程の一部を少しだけ見せていただきました☆
蒸しの工程①
蒸しの工程②
天日干しした濱納豆
-今年2月の料理教室では、今里シェフがブルーチーズを合わせたソースに、八木先生がタコライスに、それぞれ「濱納豆」を使われましたが、感想はいかがでしたか?-
ご存知のように「発酵食品×発酵食品」の組合せは、お料理の最高の組合せであり、今、注目の召し上がり方でもあります。
その中で、今里シェフの「濱納豆×ブルーチーズ」は共通の塩味とカビの味がマッチして、ブルーチーズの濃厚でクリーミーなお味は、お料理の素材感を上質にアップさせるソースでした。ただの「塩」を入れるチーズのソースということではなく、お互いの持つ「旨味」を十分に出せるおいしさで、当日はこのソースをパンで全て食べ干すくらいの「旨さ」でしたよ。
また、八木先生考案の「タコライス」の挽肉ベースに入れたお味は、肉の臭みをうまく消し、全体の味のまとまりを「濱納豆」がぎゅっと引き締めるお味でした。炒め物にしても、煮物にしても、お料理の全体のお味がボヤっとすることがありますが、「濱納豆」で味の緊張感を与えることにより、味のリズムを付けることができたお味でしたよ。最後にきざんだ「濱納豆」をお好みでふりかけると、ブルーチーズソースのお料理同様、全体の「旨味」を引き上げる効果が生まれてくる「古くて新しい」お味でした。
いずれのお料理も、お代わり!をしてしまうほどの、満足感のあるおいしさで、食べすぎちゃいそうです。
今里シェフのレシピ
八木先生のレシピ
-その他に「濱納豆」を使ったおすすめのレシピがあれば、教えてください。-
シンプルにお茶漬けやお粥へ数粒入れたり、また、大根おろしへ三杯酢と「濱納豆」を乗せてもお勧めです。調味料としてもおいしさを発揮できますので、豆豉(トウチ)と同じ要領で入れる麻婆豆腐をはじめとする中華料理や、少しつぶして油と合わせ、お塩の代わりに炒め物の味付けに使ったり、汁物の隠し味に使うとコクや旨みを引き出してくれます。また、意外かと思われますが、チョコレートやチーズにも良く合うので、スイーツにご利用頂いても美味しく召し上がって頂けますよ。
「濱納豆」のおすすめレシピ
-「濱納豆」はどこに行ったら購入できますか?-
東三河では、サンヨネ各店、豊橋駅新幹線改札口キヨスク、ヤマサちくわ各店、濱金商店、ほの国百貨店、道の駅田原めっくんはうす、ほかで取り扱って頂いています。
名古屋では、ピピッ!とあいち、阿己雪漬物店、大和屋守口漬総本家、ほかで。
東京では、浅草農園、せたがや縁側カフェにて、ご購入いただけます。
(順不同、敬称略)
-最後に、今後の展開や抱負をお聞かせください。-
地元豊橋でも、まだまだ「濱納豆」がどんなものかご存じない方も大勢いらっしゃると思いますが、「濱納豆」には美容と健康に大きく作用する「抗酸化物質」が他の発酵食品では考えられないほど多様に含まれ、大きな可能性を秘めている優れた食品ということが、2017年4月に学会で発表されました。「濱納豆」を日本の食卓に当たり前のようにある調味料として広く普及することを目標に、品質の良い「濱納豆」を提供していきたいと思っております。
-ありがとうございました。-
どんな料理にでも合い、アレンジも自由自在の「濱納豆」、みなさんもいろいろな食べ方を試して、自分だけのオリジナルレシピを考えてみてくださいね!(^^)!
次回もお楽しみに!